アメリカでは3月、4月の
税務申告期限に向け、1月下旬から
タックスシーズンが始まります
アメリカにお住まいの方は
税務関係の書類を受け取りだしている
頃ではないでしょうか
本日はアメリカでパートナーシップを
お持ちの方向けに
2020年度のスケジュール K-1に関する
留意点をお知らせします
【注意】
2021年1月25日現在
スケジュール K-1の最終版フォームは
まだIRS(アメリカ合衆国内国歳入庁)から
出されておりません
詳細はこちらの記事と合わせ
最終版フォームが出てからご確認下さい
パートナーシップとパートナーの関係性とは
まずはじめに、パートナーシップとは
株式会社のようにアメリカでは一般的な
事業形態の一つで
何人かのパートナー(オーナー)が
パートナーシップ(会社)を所有します
厳密には全く異なる事業形態ですが
ざっくり言うと株主と株式会社の関係性に
似たようなイメージです
パートナーシップによっては
パートナーは2人だけの時も
1000人を超える場合もあります
スケジュール K-1とは
スケジュール K-1(ケーワン)は
パートナーシップがパートナーに発行する
収入証明書のようなものにあたります
各パートナーシップがパートナー1人ずつに
1枚ずつスケジュール K-1を発行しますので
いくつものパートナーシップに
投資をしている投資家は何枚ものK-1を
毎年受け取ることになります
2020年度の変更点:Tax Basisでキャピタルアカウントを申告
私はこれまでパートナーシップの税法に
多く関わってきましたので
毎年何百枚ものK-1を見てきました
ここ数年いくつもの変更が施されましたが
2020年度も例外なく
大きな変更がありました
2019年から話題にもなっていましたが
それはキャピタルアカウントの
申告方法の変更です
スケジュール K-1のアイテムL
Partner's Capital Account Analysis
(上図参照)で各パートナーの
キャピタルの申告をするのですが
これまではパートナーシップが
以下のいずれかの方法で
キャピタルアカウントを申告できる
選択肢がありました
- Tax Basis
- GAAP
- Section 704(b)book
- Other
パートナーの数が少なく
パートナーの入れ替わりも少ない場合は
別途計算する手間を省き
帳簿にそって申告していた場合が
多いのではないかと思います
しかし2020年度からはTax Basisでの
申告が義務付けられることになりました
本来、全てのパートナーシップが
タックスベーシスを初年度から
トラッキングしているべきなのですが
実際は時間やコストの関係で
できていない場合も多いと思います
もしこれまでタックスベーシスで
キャピタルアカウントを
トラッキングしてきていない場合、
まだパートナーシップが成立してから
年数が浅い場合は、過去に遡り
タックスベーシスを計算しなおすことを
おすすめします
通常これは税理士が計算しますので
お持ちのパートナーシップが
トラックしているか分からない場合は
是非相談してみて下さい
タックスベーシスでの計算が
何らかの理由によって不可能な場合は
代わりに使える計算方法がいくつかあり
どの方法で計算したかをスケジュールK-1に
添付することになります
今年はこの変更によりK-1発行まで
通常より時間がかかる可能性がございます
税理士と相談し早めに取り掛かることを
おすすめします